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ありよりのなし。
更新日:2018/05/17
この歳にして、新しく妙な言葉を覚えました。
最近、ネットで多く検索されたと話題になった(らしい)…
「ありよりのあり」。その近親語だそうです。
物事を判定するときに使う、アリとナシ。
二者択一では息苦しいという事情からなのか
若者を中心に支持が広がっているようです。
「刺身を食べるとき醤油にマヨネーズを足すのはアリかナシか?」
→「アリ寄りのアリ!」てな具合。
順に並べたら、こんな感じになるのでしょう。多分。
伝えたいことはあるけれど、万が一にも否定されたときの
逃げ道は残しておきたい。そういう深層心理が透けて見えます。
「伝えるべき本質を迂回させる表現」とも言われがちですが、
実際に迂回させたいのは相手との対立なのかも知れません。
そうそう、こういう言い回しもありました。
「お待たせしました。こちらラーメンになります!」
じゃあ、目の前にあるのはお湯を注いだばかり?
3分待ったらラーメンになるから食べていいのね…
と勘違いさせるような説明。インスタントじゃあるまいし
「ラーメンでございます。」って何で言えんのやろ?
コンビニで買い物する際に「1000円からお預かりします。」
結構耳にしますが、「1000円お預かりします。」が正解。
「消防署の方(ほう)から来ました。消火器の点検でーす!」
この場合の方(ほう)には、明らかに悪意が含まれていますけど、
上司に「確認の方をお願いします。」って言う人いませんか?
出来れば「ご確認をお願いします。」って言ってもらいたい。
曖昧にすると言いたいことがぼやけてしまうのは誰の目にも明らか。
なかなか的を射抜けないものだから、自ずと言葉数も増える。
言うなれば、致命傷を与えられない散弾銃のようなもので、
急所に打ち込む一発必中のライフルにはとても敵いません。
国を動かすような偉い人が曖昧なことを言ってる現代の日本。
しかしながら、政治家や高級官僚の世界はある意味独特です。
言葉で表現されない機微に通じないと仕事になりませんし、
忖度で上手に物事を運ぶのは優秀さの証だとも解釈できます。
ですが、我々が主戦場とするビジネスフィールドや
日常生活の殆どにおいては、分かりやすいことが好まれます。
対人関係の悪化を迂回させる表現によって、逆に違和感を
持たれないよう、正しい表現が用いられることを願います。